躯体性能について

| コメント(0)

全国のKino-izmファンの皆様
こんにちは☂
雨の金曜日、そして6月最終日、早いもので今年も半分終わりました。。。
昨日、一昨日とブログ更新できませんでした。
というのも先日のAPWフォーラム、東大大学院・准教授、前先生と、低燃費住宅・社長、早田さんの講演、かなり有意義で皆様にもお伝えしたいと思う事がたくさん有りました。
頭の中で整理しようにも情報が多すぎるのと大変専門的な知識を要するので中々まとまらなかったのです。
そんな中で、ZEHについてまとめてみましたので、少々長文ですがお時間のある方、ご拝読下さい。

ZEHについて、
国は違えどZEHという基準(というのか?)は各国にあるようです。
それを比較すると日本の基準が如何に低いものなのかがハッキリとしているとのこと。
もともとZEHは生活で消費するエネルギーを太陽光発電等で創ることでプラスマイナスゼロにしようというところ(判りやすく簡潔に言っての話、本来は一次エネルギーなんとかどうとか、、、ですがここでは判りやすく説明します)
建築計画時にZEHの条件(基準)内に住宅の性能が定まるよう設計するのですが、その際、海外では冷暖房計画、家電を計算に入れるに対して、日本ではそこを除外し、本来なら一番消費する家電の消費エネルギーを如何に無視して設計するか?という考えがあるようです。
家電は後付け、住む人に任せようというもの。ZEH住宅だからといっても家電を計算に入れなかったらZEHにし易いですよね!
でも実際家電を付けるとZEHじゃなくなる(笑)みたいな、、、、
さらにシッカリと断熱&気密する事で室内の温度差がなくなり、リビング階段や洗面所、トイレとの温度差も解消でき、ヒートショックや無駄な間仕切りを無くすことが出来ると言うものが本来の姿だと思うのに、日本の場合は断熱空間を少しでも小さく区切り「主たる居室」「それ以外の居室」「居室以外」と分けて冷暖房の空間を減らすことで消費エネルギーも減るという考え方(?)があたりまえのように行われています。なにか逆向いている感がしてなりません。

こうしたところで消費エネルギーが少なくなるように見せかけることで躯体性能は従来のまま(低いまま・大手主導?政治絡み・忖度^.^)躯体性能が低いと自ずとエネルギーも浪費するので、その分たくさんの太陽光を載せれば(たとえば8kWとか10kW、あるいはそれ以上)それでクリアする・・・と。おかしいと思いませんか?

Kino-izmでも吹抜け、リビング階段の住まいで何度もZEH仕様の住宅を手掛けて来ましたが、設計時の計算で吹抜けがあると主たる居室とみなされ、リビング階段から続く2階ホールや廊下も仕切りが無くて繋がっているという事で主たる居室に含めて計算しないといけない状態、非常に不利だと言われました、したがって断熱性能を高くしないとZEHにならないのですが、もともとKino-izmでは断熱性能は高くしてあるのでZEH基準をクリアできました。でも一般の断熱性能では10kWの太陽光を搭載してもリビング階段や吹抜けはとても手に入れることが出来ないと思います。それほど断熱って重要なのです!

さらに、、、
躯体性能の低い住宅でたとえZEH住宅を建てたとしても、、、最初の10年は余剰電力の定額買い取りで何とか光熱費もゼロに出来るかも知れません、でも11年目以降はどうなるでしょうか?
すでに11年目以降は買い取りしてくれる単価は当初11円と記されていましたが既に8円、あるいは7円台に下がってきています。
余剰電力の定額買い取りの初年度が2009年なので10年後の2019年、こうした住宅がたくさん出て来ます。
この時、躯体性能の良い住まいであれば太陽光容量も小さくてクリアしているので、買い取り単価が下がったところで大した影響は無いでしょう、しかし躯体性能の低い家では今までゼロに出来ていてモノがゼロに出来なくなる、さらに住宅設備がいよいよ故障や交換時期をむかえる、そうした時に高額の長期住宅ローンを抱えている子育て世代にどれほどの余裕があるか?ということなのです。

建築当初は躯体性能が低ければ建築コストは少なくて済んだでしょう、その分高額な太陽光を手に入れていると思いますが、、、。その住まいが10年20年後に、太陽光で稼げなくなり(買い取り単価が低くなるとともに発電効率も劣化するでしょう)低い躯体性能の中で快適に過ごそうと思えば光熱費を浪費するしか無く、浪費を抑えようとすると暑さ寒さをガマンするしか無くなります。
これで良いのでしょうか?
それに輪を掛けるようにCO2削減が多方面で明らかになっていますが特に日本は一向に進んでいません、これを解消する為にカーボンプライジングと言われる(二酸化炭素等の温暖化ガスの排出量に応じた対価を支払う社会制度)炭素税が電気料金に課金され値上げが必須と言われています。
どうでしょう?それでも躯体性能の低い家(従来の性能・次世代省エネ基準など)を建てますか?
たくさんのメカの着いたメカメカZEHを建てますか?
断熱&気密性能を高くして、年中家のどこに居ても温度差の少ない快適に過ごせるような住まいを手にいれたくはありませんか?!
断熱性能を数値で表現することは必ずしも良いとは思いませんが、やはり各社同じ基準で比較してこそ性能の良さが判るのではないでしょうか?
Kino-izmでは外皮性能Ua値を0.45辺り(プランや開口部の広さで変わります)、気密性能を表すC値を0.5を基準とし快適な家づくりをしています。
ちなみに、現在基礎工事中のK様邸のUa値は0.39、宇陀市・Nm様邸は0.43、今春引き渡しを終えました木津川市・T様邸はUa値0.46、気密性能を表すC値(実測値)は0.3でした。
数値の基準はつぎの表をご覧ください。


Ualist170630.jpg


まだまだお話ししたい事がたくさん有りますが、私の拙い文章力では(>_<)

結論、
躯体性能をシッカリと考え、少しのエネルギーで夏涼しく、冬暖かい、暑さ寒さのストレスから解放される住まいを建てましょう!

写真は、昨日の看板犬・桃太郎の接客時の写真
k_c170629_2.jpg

最後までご拝読頂き、ありがとうございました!

ほな、また、、、

↓「Best of houzz2017」獲得

Houzzに登録中の橿原市, 奈良県, JPの木野芳弘

人気ブログランキングへ

コメントする

〈 前の記事トップページ次の記事 〉

カテゴリ

バックナンバー

奈良の外断熱注文住宅 有限会社キノハウジング このページ先頭へ